機械式時計はよく小宇宙と言われる事があります。
ここでは小宇宙と書いてコスモと呼ぶことにしましょう。
高級時計にはコンプリケーションと呼ばれる複雑機構を
搭載するモデルがあります。
代表的な複雑機能の時計はトゥールビヨンと言われる時計でしょう。
1800年頃トゥールビヨンを発明したのは時計の歴史を200年早めた人物、
天才時計師アブラアン・ルイ・ブレゲです。
ナポレオンやマリーアントワネットもブレゲの時計の愛好者と知られております。
トゥールビヨン以外にも様々な機構を発明発展させた天才時計師です。
懐中時計が主流だった昔、ポケットにいれている為、
重力の影響や姿勢差で時間が狂ってしまうのです。
ヒゲゼンマイは伸縮します。平行に置かれていないため狂ってしまうのです。
そこで精度向上の為ヒゲゼンマイにかかる重力の影響を分散させて
正しく伸縮するように調整し常にヒゲゼンマイの姿勢を変えながら
重力の影響を均等にしたのです。
あの小さなケースのなかに色々な機能、香箱、歯車や部品、ネジ、
まさにコスモ(小宇宙)みたいな物です。
ゼンマイを巻き上げゼンマイのエネルギー(回転力)を放出させ香箱車から
次の歯車に順番に伝わりそれぞれの働きをするのです。
一つでも歯車の引っ掛かりやズレが生じたらどうでしょう?
時計はそれだけで全てストップし動かなくなります。
身体だったらどうでしょう?
エネルギーやパワーがあるのに身体の使い方が良くなければ
手打ちや筋肉に頼ってしまうと思います。
全身を使っていない事になります。歯車の連動がなく
一気にゼンマイのエネルギーを使ってしまう。
スタミナギレにもなるでしょう。
しかし時計はエネルギーを一気に使わず一定の力で歯車を動かし
全ての細かな歯車を上手く使いメインの針を動かします。
針を動かす為に見えない所で全ての部品が働いているのです。
その中には回転力など武術で学ぶことは多いと思います。
エネルギーをコントロールし何時でも爆発出来る準備をし身体の連動、
動きを上手く使えば良いと思っています。
(研究中ですが…)
高級とは
トゥールビヨンのようにケースの中で精度を調整するように、
身体の中の精度の調整、重心、関節や角度を変えるだけでも
変わってくると思います。
昔の時計の精度のお話ですが
今の機械式時計は精度もしっかりしています。
複雑なコンプリケーション時計になるほど部品数は多く繊細で
慎重に取り扱いしなければなりません。
武術には3針のシンプルな機械式時計の機能説明でことたりると思いますが…。
色々な機能が付いていても3針時計のベースが時計の土台なのです。
自分のやっている武術ブランドも どのように高級
(高度な技術、繊細さ、技法、機能)にして
深みのある武術にしていくのも面白いかもしれません。
面白いものです。
小さな時計から学ぶものがあります。
長いひとり言
#詠春拳 #中国武術